傳寶慶子建築研究所    KEIKO DEMPO ARCHITECT INSTITUTE   
  手造り感を大切に、素材のもつ美しさを感じていただけるような設計提案をしています。        HOME



2007.11.19  水に浮かぶ美術館



滋賀県にある『佐川美術館』に行ってきました。

この美術館は、佐川急便40周年記念事業として建てられたもので、琵琶湖のすぐ横にあります。

左の列柱が並んでいる本館は、10年ぐらい前に建てられたものですが、右の葦に囲まれている建物は、

今年新たに別館として建てられたものです。

この別館、遠くから見ると建物の本体部分が葦で隠れ、屋根だけが浮いているように見え、かなり渋いです◎

いや〜〜なんとも屋根が美しい…深い軒や、軒先のアール具合が絶妙で、かなりホレボレします。

今年建てられた別館は、樂吉左衛門さん(「樂焼」の15代目当主)設計です。

焼物の世界では超有名な人で、伝統を打ち破るような斬新な茶碗ばかりを創作しています。

1階は広間になっており、畳の廻りに荒々しい石が敷き詰められ、とても開放的な空間でした。

地下には暗く静かな展示空間があり、トップライトからの光が効果的に演出され、作品とともに

密度の濃い空間でした。








2007.11.14  ここは一体…



どこでしょう…??

巨大な石の顔…モアイ像が立ち並ぶ風景…

ピラミッドに五百羅漢像…。

この石でできた仏像、一体の重さはなんと!1トン。ダーッと上まで埋めつくされています。

下の写真は兵馬俑坑…

一体ずつ顔、服装、髪型など本物の人間のようにそれぞれ違い、圧巻です。

大きさもほぼ等身大。1000体近く並んでいます…。

じつはここ、姫路にある『太陽公園』という場所なんです。

「石の文化と歴史・新しい福祉を創造する」というキャッチフレーズのもと、かなり本格的に世界の文化と歴史を

広大な敷地に集めて造っています。

レプリカと分かっていながらも、結構見入ってしまいます。

万里の長城もあり、その長さなんと2km!まだまだ工事中らしく、これからものび続けるそうです^^

力の入れ具合がスゴイ◎









2007.11.5  ちょっと遠出…


ということで、岐阜に行ってきました。

岐阜県の『鬼岩公園』  どこを見ても岩!岩!岩!

名前の通り、巨大な花崗岩のかたまりがゴロゴロしていました。

この公園の一番の魅力は、巨大な岩組の隙間を探検隊気分で廻れるところ♪

でもいざ中に入ってみると…暗っっ…狭っっ…低っっ…。

普通に歩けるところはほとんどなく、大半は腰をかがめての移動。

このまま岩が崩れてきたら、確実に死ぬだろうなぁ〜と恐怖感さえおこる。

しかし、暗い中から見上げる外の景色のキレイなこと。。

苔むした岩がしっとりとしている様は、とてもとても美しかったです。

しかし、苔は見ている分にはキレイですが…足元にあると滑ります。

気をつけなければと思いながらも案の定、滑って横転。。

腕をすりむいてアザまでできてしまいました…T_T








2007.10.26  芸術の秋 V


秋は興味をそそられる展覧会がいっぱい〜

今回は、京都で開催されている『狩野永徳 展』へ。

渋い…渋すぎです。

本物はもっと押迫ってくるような迫力があるのですが、写真だけでもかなりのエネルギーを感じます。

国内だけでなく、世界各地からも作品が蒐集されており、かなり力の入った回顧展でした。

一番驚いたのは、フランク・ロイド・ライト(アメリカの建築家で近代建築の三大巨匠と言われている)

が狩野永徳の絵を所持していたこと。

ライトが日本や中国などの東洋文化に興味を持っており、いろいろとコレクションをしていたことは知って

いたのですが、まさか狩野永徳筆の屏風を所持していたとは…。

さすがライト!あなたのセンスは抜群です。といいたくなりました^^

とにかく内容の濃い〜濃い〜展覧会で、2時間はどっぷりと桃山時代の豪壮華麗な世界が楽しめます。



永徳は

『時代を表現するために生まれ、時代は彼のために用意された』

とまで評されているスゴイ絵師です。

時代が自分のために用意されたって…

かっこよすぎです。。








2007.10.18  芸術の秋 U


芸術の秋 Tの続きです。。

〜「ダリ」の世界が頭をよぎった調度そのころ〜

姫路で、なんとタイムリーにも『シュルレアリスム展』が開催されていました。

さっそく見に行かなければ〜〜

ダリ、キリコ、マグリット、マン・レイ、クレー、ミロ…などなど、

シュルレアリスムを代表する、そうそうたるメンバーの絵画がずらりと展示されていました。

パンフレットの表紙を飾ったこの絵は、ルネ・マグリットの『現実の感覚』。

実物はとても大きな絵で、不思議な世界が迫力満点で押し寄せてきました!



現実とは

いったい何なのでしょう?現実と夢の境界は果たして存在するのか??

現実をめぐるさまざまな謎に、正面から向き合った芸術運動がシュルレアリスム(超現実主義)です。


現実と非現実

意識と無意識

日常と夢

文明と未開

理性によって分断されてしまった世界を再び統合し、豊かな精神を回復させることを試みます。


……


と、なんとも奥が深い内容です。精神世界・哲学の世界ですね〜

さてさて、休憩タイム。

ということで、姫路城の横にある『好古園』へ。

ここは池泉回遊式の日本庭園。

この庭の中に「活水軒」という建物があり、そこで庭を見ながら食事ができます。

都会の喧騒から離れ、ひっそり静かな場所で食事を楽しむという何とも贅沢な時間を過ごしました。

藩州名物穴子弁当がオススメ。

芸術の秋、食欲の秋^^








2007.10.1  芸術の秋 T


最近買った本の紹介。

ネーデルランド(現在のオランダ)の画家『ヒエロニムス・ボス』の作品集です。


1450年〜1516年に活躍した、風変わりで非常に独創的な画家です。(レオナルド・ダ・ヴィンチとほぼ同時代人)

やはりこの時代は宗教画を描く画家がとても多く、ボスもそのうちの一人でした。

宗教画といえば、マリアの慈愛やキリストの苦難を描き、そこから魂の救済を求め得るような作品が多いのですが、

ボスの世界を見る「目」は明らかに違いました。

人間がもつ本性的な罪悪と世界に対する厭世観を、奇妙奇天烈な怪奇性とともに表現し、皮肉的な視線、人間の

愚かさを高みから冷ややかに見つめる表現など、社会への風刺や批判を痛烈に感じます。

ボスの最高傑作と言われている『快楽の園』↑(下に拡大写真あり)

左から順番に、天国、現世、地獄の光景を描いています。

この絵には数多くの謎が隠されており、見るものに知の限りを尽くした解読を迫る、難解な哲学が織り込まれている

のではないかとまで言われています。

例えば、左下の絵の中央あたりに、オレンジ色のまるい果実の船に人間が乗っている絵があります。

これは、果実の皮が人間の入る「容器」になったことは、果実が食い尽くされたことを意味し、世の終わりを暗示して

いると言われています。また、上部には楕円形の池があり、女性たちのグループが何組か池の中にいます。

池にいる女性のうち立っているのが24人で、これは一日の時間の数を示しています。

そして、その内訳が左から1+4+12+7であることから、それぞれが年、四季、月、週という時間の単位を示して

いるそうです。
地獄のほうの絵中央には、足が木で、胴体が卵、頭の上にお皿を乗せている奇妙な怪物がいます。

この作品集の表紙を飾った人物で、名前は「木男」。

胴体の卵の中は居酒屋になっています。

この怪物は、ボス自身の肖像画ではないかと言う説があり、「ボス」とう名前は「木々、森」を意味します。


それにしても、何世紀も前にこんなシュールな絵画表現を生み出すとはスゴイものです。。

初めてこの作品を目にしたとき、一瞬「ダリ」の世界が頭をよぎりました。







2007.8.22  スペイン-5


おまけ写真です。

風車と巨大わらロール。このロール、人の身長ぐらいあります!

何の意図もなく自然におかれている風景が現代芸術のように見え、思わず写真を。





マドリードで食べたお昼ご飯。

ムール貝とミックスパエリア。白ワインとともにおいしくいただきました。
2007.8.22  スペイン-4


『メスキータ』

イスラム世界の中心都市として繁栄した「コルドバ」という都市にあり、

後ウマイヤ朝時代にアブデラマン1世により建設されました。

旧市街全体が世界遺産。ちなみに、メスキータはモスクという意味。

モスクなので、当然イスラム寺院なのですが、なんとその中にキリスト教のカテドラルが入っているのです。

なんとも不思議な宗教合体…。しかしモスクの規模は世界最大級!

内部は紅白模様の馬蹄形アーチが854本も並んでおり、赤い部分はレンガ、白い部分は漆喰でできています。

すべてレンガにすると相当な重量となるため、軽量化をねらいレンガと漆喰を交互に組み合わせて造ったそう

です。アーチが2重になっているのは、重量を分散するため。

下の写真はカテドラル内部。

部屋を取り巻くように合唱団席が並び、その上には巨大なパイプオルガン。

なんとも豪奢な造りです。



これは「ミフラブ」と呼ばれ、イスラム教徒の人たちが神に祈りを捧げる方向(メッカ)を示す目印となるもの。
2007.8.20  スペイン-3


『スペイン広場』

ここは1929年に開かれたイベロ・アメリカ博覧会の会場として造られた建物です。

映画の舞台などにもよく使われているそうです。

建物に沿って並ぶベンチには、スペイン各県の歴史や特徴がタイルでデザインされています。

階段の手摺もタイルで彩どられており、とてもキレイでした。





『カテドラル』

ローマのサン・ピエトロ大聖堂、ロンドンのセント・ポール大聖堂に次いで、世界第3位の規模を誇る

キリスト教大聖堂です。(世界遺産)

奥行き116メートル、幅76メートルと、とにかく広い。

内部には主礼拝堂の巨大な木製祭壇が!

ゴシック様式の木彫の傑作といわれ、キリストと聖母マリアの生涯を描いた45の場面を刻んでいます。

絢爛豪華さに目を奪われ、荘厳な雰囲気に酔いしれ…。

すばらしいの一言です。

そして、この祭壇と対面するように聖歌隊席があるのですが、これもまた重厚感たっぷり。

部屋を取り囲むように椅子が並べられていますが、芸術作品のようで座るのがもったいないぐらいでした。

宗教建築って本当ににすばらしいですね。

宗教が存在しなければ、このようなすばらしい建築の発展には結びつかなかったかもしれません。







2007.8.17  スペイン-2


『アルハンブラ宮殿』

スペインのグラダナというところにある広い広い宮殿です。(世界遺産)

じっくり見学したら丸一日あっても足りないぐらい広い。


〜カルロス5世宮殿〜

ルネッサンス様式の建物で、正方形の建物の中に円形の中庭があります。

1階と2階でまったく異なるデザインの変わった建物。

1階部分のでこぼこした石の壁がおもしろい◎

この建物は、1526年頃、スペイン国王カルロス5世が新婚旅行でアルハンブラ宮殿を訪れた際、

グラナダを未来のスペイン帝国の首都にしようと、当時最新のルネッサンス様式を用いてハイカラ

な宮殿を造ろうと思い立った。

・・・が、資金不足のために建設は中断。ファサードと中庭しか完成しませんでした。

中庭の中心に雨水が集まるようになっています。柱は大理石!





〜アラヤネスの中庭〜

池の両側にある生垣が『アラヤネス』という植物で、この中庭の名前の由来になっています。

池の水が巨大な水鏡となり、建物をより一層美しく見せています。

正面から見て、水が建物の土台スレスレにくるように床を傾斜させ、まるで建物が水の上に浮いているように

見せています。この手法は、インドの有名なタージマハールでも使われています。

イスラム教徒は灌漑技術に長けていたため、山脈からわずかな高低差を利用してひいてきた水を、このように

宮殿内の演出効果の一部として利用したのです。

建物だけではなく、鏡に映る姿や影などの表情さえも、視覚的にきわめて重要であると考えていたのです。





〜ライオンの中庭〜

アラヤネスの中庭のすぐ隣にあり、王様のプライベートな住空間として利用されていました。

名前の由来は、中庭の中心に12頭のライオンの噴水があることから。

が…、ただいま工事中。

中庭のまわりには、ヤシの木をイメージした細い柱が建ち並び、砂漠の中のオアシスを表現しているそうです。

柱と柱の間には、レースのような凝った装飾。壁には一面の漆喰細工!

このレースを製作するだけでも、気が遠くなるような年月がかかりそうです…

気が遠くなるような装飾は、まだまだ続き、極みの部屋へ…。

ジャーン。鍾乳石飾りの壁と天井!!

圧巻でした。美しすぎて言葉を失うとは、まさにこのこと。

この天井、なんと5416にも及ぶ断片からなる驚異の作品なのです。

四角い部屋が上部では八角形に変化しています。すばらしき職人技…。
2007.8.13  スペイン-1


1週間ほどスペインへ建築探訪旅行に行ってきました。

まずはバルセロナ。天才ガウディの残した作品を紹介します。



『グエル公園』

グエルさんがスポンサーとなった、ガウディ最初の都市開発プロジェクトです。

約20haの土地に、当初60戸の住宅を建設する予定でしたが、グエルの死により計画は中断され、

美しい公園だけが残ったそうです。

大きな広場のまわりには、破砕タイルで彩られた波打つベンチ。

斬新的なデザインばかりに目を奪われますが、ちゃんと機能的なデザインとなっています。

背もたれ部分の微妙な曲線は、人の背中の型取りをして、座ったときにシックリ背中とベンチがなじむよう

に工夫されています。

また、所々にあいている穴は、座ったときに風通しをよくして涼しくするのと、裏に雨水が流れて下に落ちる

ようになっています。

そして、この広場の真下には、ドリス式の列柱が。

この柱、ただの柱ではなく、中に排水管が埋込まれており、上部の広場から流れてくる雨水の通り道となって

います。そしてこの柱を通って落ちた雨水は、地下にある巨大な貯水槽へと集められます。

なんとこの広場は3層構造になっているのです!

天井にも破砕タイルの美しい模様が。。手間ひまかけています。


下の写真は、広場を下から見上げたところ。

公園のシンボルであるモザイク造りのトカゲは、水の守護者です。

なんとも言えずカワイイ。


つづいて


『サグラダ・ファミリア聖堂』


ガウディはこの聖堂に43年間もの歳月を費やし、着工からすでに120年。

建物全体で、キリストの生涯 「生誕」「受難」「栄光」を表しており、こてこての装飾。

この右上の写真にある人物の彫刻は、なんと!唯一の日本人彫刻家、外尾悦朗氏の作品なのです。

日本ではあまり知られていない人ですが、世界が認めたスゴイ人です。


内部は今だ完成する気配はなく、まだまだ工事中。

よく見ると柱が途中から枝分かれしています。

……

構造計算する人は大変だな〜とシミジミ思いました。




ガウディとその時代


アントニ・ガウディの一生
2007年1月〜6月のコラム