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用の美シリーズⅡ 廊下

『廊下』

廊下を作ると、その分部屋に使う面積が少なくなってしまうため、極力作らないような設計を心掛けていますが、

プランの制約上どうしても廊下が必要という場合もでてきます。階段同様、廊下もただの通り道、とだけ考え設計

してしまうと、なんともつまらないスペースとなってしまいます。

ちょっとしたアイデアを盛り込むだけで(センスが必要ですが)単なる廊下がワクワクするような空間へと生まれ

変わる様子を、まずはマンションリフォームの事例で説明していきたいと思います。

こちらの写真、よくあるマンションの廊下。リフォーム前。

廊下に面して右手前から、個室の扉、収納の扉、個室の扉、洗面室の扉、一番奥にLDKに入る扉、

左側は、トイレの扉と個室の扉。全部で7カ所の扉がこの廊下に面してついています。

一般的な造りといえばそうなのですが、玄関からLDKに行くために、このなんとも退屈な通路を毎日

通っていかなければいけません。息が詰まるような思いです。

さて、これをどうワクワクするようなスペースへ変えましょうか。イメージはアートギャラーリー。。

まずは右側の壁。こちらには4カ所扉がついていましたが小さな個室2部屋を1つの大きな部屋とする

ことで扉を1つ減らし、収納の扉も取りました。こうすることで、小間切れになっていた壁がなくなり

1枚の大きな連続した壁となりました。そう!この何もない大きな壁こそが今回の「見せ場」

右側の壁一面にインパクトのある大理石を張り、扉は黒の鏡面仕上げ。照明は集光タイプのダウンライト

を用い、大きさも通常より一回り小さく75Φ。廊下全体が隈なく明るいという感じではなく、器具の真

下だけスポット的に明るくなるようにしました。

そして左側の部屋ですが、完全個室とする必要がなかったため壁で仕切るのはやめ、造り付けの収納家具

を置くことで間仕切り代わりとしました。

この収納家具、両面から使える仕様となっていて、廊下側は靴やゴルフバック、備品等を収納、個室側は

本棚として使えるようにしました(結構大容量!) また家具は天井まで作らず、1.8m程度の高さに抑え

上部に空間をつくり、天井を連続させる。このちょっとした高さのサジ加減が圧迫感を感じさせず、狭い

空間を広く見せるという裏ワザなのです。

 

見比べるとワクワク感がまるで違いますね~

廊下の壁に張った大理石が、キッチン後ろの壁まで続いているデザインとしたため、その連続感を損なわないよう

LKDに入る扉はフレームが極限に細いガラス扉に。

リビングから見たくなる廊下へと生まれ変わりました。ちなみにリフォーム前はこんな感じ。

これだと廊下は見たくないですね(苦笑)