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東京美術館巡りー2

東京、表参道駅から徒歩10分ほどの場所にある『根津美術館』へ行ってきました。

外回りには、竹がビッシリと植えられており、入る前から期待が膨らみます。
設計は、「新国立競技場」のデザインでも話題となった、隈研吾 氏。

外壁には、リン酸処理された鉄板が張られており、かなり現代的ですが、
どことなく『和』の雰囲気も漂います。
それにしても、屋根の表現がスゴイ!じつはこの屋根、『瓦』を葺いているのですが、
下から見ると、とてつもなく薄い屋根のように見えます。
「瓦」は、形式通りに葺くと、棟には何段も瓦を積み上げ、鬼瓦をつけたり・・・等、
分厚く見えるのが一般的。

しかし、そこは、世界の隈研吾!
過去の様式に囚われることなく、瓦屋根特有のごちゃごちゃとした要素を一切取り除き、
シンプルにスッキリと見せることを意図し、デザインしています。
屋根の先端部のみ、外壁と同じ鉄板で仕上げており、その厚みはなんと40ミリ!極薄です。
瓦屋根といえども、スッキリとモダンに見えるような工夫が随所に仕組まれていました。

そして、深い軒下空間が印象的なアプローチ。

壁一面に竹が張られており、都会の喧騒を忘れるような、美しい演出です。
たしか、車か何かのテレビCMで、この場所が映っていた記憶が・・・。

「月の石舟」と呼ばれる、大きな蹲踞も鎮座していました。

内部は超モダン。

勾配天井が印象的な空間です。
展示は、絵画、彫刻、漆工、茶道具等、多岐にわたっており、中でも群を抜いて凄かったのが、
古代中国の青銅器コレクション。
世界でも有数のコレクションらしく、60センチ以上ある大型の器もたくさんあり圧巻でした。

政治家・実業家でもあった根津嘉一郎氏が収集したコレクションの数々を展示しており、
一個人がこれほどまでに素晴らしい芸術品を集めていたことに、本当に驚きました。

敷地は、根津氏の私邸跡で、お庭も17,000㎡と超広大。

お茶室も4個あり、東京のど真ん中に、ここまでのお庭を作り上げ、維持され続けてきたことに
敬意を払うとともに、とても感激いたしました。

春にはカキツバタが満開になるそうです。

お庭をゆっくり見て回るだけでも、見ごたえ十分。
超オススメの美術館ですので
皆さまも機会がありましたら、是非一度訪れてみてくださいね~