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紅葉を愛でる

紅葉真っ盛り♪
先日、京都八瀬にある『瑠璃光院(るりこういん)』へと行ってきました。
お寺というよりは、瀟洒な造りの住宅といった雰囲気で、門の高さもかなり低く
手が十分に届く距離でした。高さ2m程度といったところでしょうか。

和風建築の美学ととして
一、玄関を大きくするな。門戸を張るな。
一、外からは小さく低く、内に入るほど広く、高くすること。
一、天井の高さは七尺五寸を限度と思え。それ以上は料理屋か功成り名をとげた
  人の表現になるので普通ではない。

など、有名な語録が残されており、
外観は控えめに目立たぬようというのが、基本原則です。

写真は奇跡的に人が写りこんでいませんが、すぐ後ろには、長蛇の人の列が
できており、入るのに1時間半も待たされました>_<
春と秋だけ、期間限定で公開されており、人気の紅葉スポットです。
下の写真は、ポスターにも使われるほど有名な、瑠璃光院を代表する1枚。

暗い室内から見る紅葉が、とても美しいですね。
ここも順番に並んで、写真を撮りました(笑)1人1分までです。

大迫力で紅葉が迫ってきます。本当に美しいの一言につきます。
ある気象条件が整うと、「瑠璃色に輝く浄土の世界が現れる」ということから
ここの庭は『瑠璃の庭』と呼ばれています。
2階からの景色を存分に楽しんだ後、1階へ降りると、今度は苔の絨毯が広がります。

写真では、少しわかりにくいかもしれませんが、ここの苔の分厚さはピカイチ!
本当にフカフカした絨毯のように美しく、相当の時間を費やし手入れをしているとか。。
ため息がでました。
そしてこちらは、『臥龍(がりょう)の庭』

今にも天に駆け昇ろうとする龍を、水の流れと石組で躍動的に表した池泉庭園。
かなりの高低差があるお庭で、これまた大迫力。

そして、このお庭のすぐ横に、私の大好きなお茶室がありました。

お茶室の何がスゴイって、
広さはたったの4畳半程度しかなく、天井もとても低い小さな小さな部屋にも関わらず、
この開放感!この軽やかさ!
窓のずらし加減、視線の抜け加減がサイコーに美しいです。

じつは、お茶室は、小さな空間に合わせて、各寸法もすべてが小さく造られており、
柱も一般的には105~120mm角を使うのですが、ここでは80~90mm!
また、お庭に出る掃き出し障子の高さは160cmと、かなり低く造られています。

一般的な住宅では、なかなか採用することのできない寸法なのですが
一度この空間を体験すると、何とも言えぬ心地良さ♪
籠り感がありつつ、開放感もあり、暗さ加減が本当に美しいです。
私がいつも建築のテーマとしている『心地よい暗さ』は、じつはこのお茶室からきているのです。

ちなみにここの建物は、京数寄屋造りの名人と称された『中村外二』棟梁によるものです。
やはり、空間がピシーっと引き締まって見えるのは、この棟梁のおかげですね。
和風建築に詳しい方なら誰でも知っているという、スゴ技棟梁です。(すでに他界されています)

今年は、12月10日までの公開ですので、もし機会がありましたら是非とも訪れてみてくださいね~。
新緑の頃も、また訪れたいなと思えるほど、美しいお庭でした。