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「想い」を読み解く

先日、舞子公園内にある、旧木下家住宅(国の登録有形文化財)で
京都の銘木師の方をお招きした「数奇屋セミナー」が開催されました。

松には、赤松(女松)と黒松(男松)があるけれど、最近はマツコデラックス(ダジャレ?)の
ような、ニューハーフ松が増えてきており、女松か男松かの区別がつかないものが多くなって
きているそうなのです。
植物でも、そんなことが起こり得るんだと、とても驚きましたが、人間と同じなんですね~。

座敷。

天井には、美しい木目の杉板が使われていました。

この部屋の天井板は、すべて1本の木から切り出されたもので、
ここまで材料を揃えれるのは、この当時にすると、とても珍しいこと
だったようです。いい感じに油がのってきて、黒光りし始めています。

下の写真。障子の外側に、竹が2本並んでいますが、
節と節は、必ずズラして配置するという約束事があります。

なぜズラすかというと・・・
節の位置を合わせてしまうと、節合わせ(=不幸せ)となるからだそうです。
昔の人は、家の繁栄を願い、家造りを進めていましたので、こういった細かい
ところにまで神経を配る必要がありました。

こちらは、セミナーの様子。

銘木師は、なんと!女性の方なのです。カッコイイ~!!
もちろん木については、何でも知ってはります。

そしてお次は、とっても貴重な竹の写真。

竹は90年に一度枯れるのですが、枯れる2~3年ほど前から、徐々に
こういった染みが出始めます。
これを『沁竹(しみだけ)』と言い、
これで茶杓を作ると1本、数百万円もするそうです。
なかなかお目にかかれない、貴重な竹を見せていただきました。

そして最後に、床の間の天井。

黒部杉を編んだ「亀甲編み」というデザインなのですが
立体感を出すために、濃い色の杉と、薄い色の杉とを組み合わせて、
編んでいます。本当に立体的に見え、スゴイ!の一言です。

今回、この建物に使われている、様々な木を紹介していただいたの
ですが、随所随所に、当時の「想い」が込められており、生きた歴史
を守り続けていく、ということの大切さを改めて実感いたしました。