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数寄屋建築
京都御所の東、鴨川のすぐ横に位置する北村美術館(主に茶道具などを展示)。
そのすぐ横に、北村謹次郎氏の自邸 『四君子苑(しくんしえん)』 があり、1年に10日間だけ一般公開
しています。四君子とは「菊」、「竹」、「梅」、「蘭」、の四個の君子の頭文字を合わせると 「きたむら」 と
読めることからつけられたそうです。敷地は緑でいっぱい。
ほの暗い玄関を抜けると広々とした和室へ。
この部屋は改築した部分で、有名な建築家、吉田五十八 氏の設計。
じつはこの建築家、おもしろいことを考える達人なのです。
上の写真の一番手前にある天井までのびた柱。一見すると普通の柱なのですが、じつはこれがパカッと
180度回転して、中からフスマが出てくるのです。柱が動くとは…予想外。かなりビックリでした。
天井のデザインも完璧!建具の溝なのか、デザインでつけた溝なのか、わからないように工夫しています。
床から天井まである大きな障子も特徴的。
和の雰囲気を残しつつもモダンな印象。とても開放的な空間です。
部屋の隅に柱がないため、より一層、庭との連続性が強調されています。
下の写真は、さすが京都の職人技!と目を見張るような納まり。
市松模様に張った床、洒落てますよね~。さらに手すりまで凝ったデザインに。
そして土間には「あられこぼし」という作庭技法!これは、ほとんど石を加工せず、ジグソーパズルのように
隙間なく石合わせして並べていくという、気の遠くなるような作業なのです。
ちなみに京都迎賓館でも、同じ技法が使われています。
京都の職人さんには本当に感服です。アッパレ^^