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ガウディとその時代
19世紀末、ヨーロッパのなかでも近代化が遅れていたスペインで、いち早く繊維工業など1産業を発達させ経済力を蓄えたバルセロナ。中世の繁栄とその輝かしい時代を取り戻すかのごとく、市街地を拡張し、新たな都市計画が次々と練られていた。こうしてできた新しい街並みの出現は経済効果絶大で、富を蓄えた新興ブルジョアジーがこぞって豪華で美しい建造物を建てる機会となり、バルセロナ始まって以来の建築ブームが起こった。需要の急速な拡大に伴い、人手不足の建築家を養成すべくバルセロナ建築学校が設立された。ガウディが入学する直前のことである。苦学して卒業したガウディが世に出たころ、バルセロナは街全体が熱気に覆われ、あらゆる分野で新しい試みが始まろうとしていた。
こうして始まったのがモデルニスモと呼ばれる芸術・文化様式であり、カタルーニャの伝統に根
ざしつつ進歩的スタイルを模索する社会運動として、世紀末のバルセロナを席巻した。