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何必館

京都の四条通りに面して建っている『何必館(かひつかん)・京都現代美術館』に行ってきました。

外観はグレー一色で、美術館というよりは、銀行かオフィスビルといった感じ。

ところが中に入り、EVで最上階に上がると…

優雅なひっそりとした世界が広がっていました。

中庭に植えてあるのは、株立ち状の紅葉。

上部から入ってくる光が刻一刻と移り変わり、葉が風にソヨソヨと揺れ動くさまを、ボンヤリと眺めているだけで

至福のひと時でした。

都会の喧騒を忘れさせるような、静謐な空間がここにはありました。

右上の写真にある『清風』という文字は、北大路魯山人が刻したもの。

奥には和室が配されており、とても粋な空間構成でした。

地下にある北大路魯山人作品室。

その他にも、 日本画家の村上華岳作品室、 洋画家の山口薫作品室 がありました。

村上華岳作品室に、ちょっと心惹かれる文章が。

なんというあわただしき人の姿だろうか。

私は「静さ」を最も愛する人間である。

静さのなかに本当の「動」を感じるのだ。

無暗に人生の外側を走り廻っても何にも得る所はない。

其処には「力」もなんにも見出されない。

何等根深いものがないのだ。

この文章と、この美術館のあり方がとても合っていたので、ミョーに納得してしまいました。