blog

カテゴリー:

ブログ

材木見学~東白川村~

先日、お客様と一緒に、岐阜県東白川村まで行ってきました。
車で片道4時間。

構造材に使う『東農桧』の原木です。
狂いが少なく、ねばりがあって、香りがゆたかな木材として
日本を代表する桧ブランドのうちの1つです。
敷地に一歩足を踏み入れると、ヒノキの匂いがスゴイ!スゴイ!

丸太の皮をむいて、四角い柱へと製材している様子。

機械が、丸太の曲がり具合を1本ずつ判断し、芯が中心になるよう加工してくれます。

そして、製材された柱は、なんと!4面背割り!!(4方向の切れ込み)

このカット方法、まだまだ対応している材木屋さんが少なく、
じつは最先端の技術です。
『背割り』は、下の写真のように1方向のみに深く入れるのが一般的。

しかし最近では、この1面背割りはもう古いそうで・・・。
私自身、この情報は初めて知って、とてもビックリしましたが
詳しい説明を聞くと、理にかなった構造なので、とても納得しました。

そして、写真ではちょっとわかりづらいかもしれませんが
右側の柱の山積みと、左側の柱の山積み。少し色合いが違うのがわかりますでしょうか。

右側は、うっすらピンク色(桧本来の色です)
左側は、少し日焼けしたような黄色っぽい色になっています。

じつはこれ、乾燥する温度が違うのです!
材木は、そのままだと水分が多く含まれボトボト状態。
そのため、製材した後、必ず乾燥させる必要があります。

本当は、自然乾燥が一番よいのですが、それだと何年もかかり、現実的ではないので
機械に入れて乾燥させます。
今の主流は、高温+短時間乾燥。
乾燥具合が甘いと、家を建ててから柱が動き、クロスが割れてきたり等、
クレームにつながるような現象が起こりえるため、たいていの方は、
乾燥バッチリの高温乾燥品を選びます。

ただ、高温乾燥にはデメリットもありまして、
短時間で一気に木の水分を抜くため、木本来のねばりがなくなり、
パサパサとした質感、そしてキレイなピンク色も、消えてしまいます。
大工さん曰く、構造材を組み上げる際、木がパサパサすぎて、叩くと割れてくるそうです。

狂いがないのはいいことですが、木本来のよさがなくなるのは、
あまりいい気がしませんよね。
そのため、ここの材木屋さんでは、木のことを第一に考え、
『中低温乾燥』を勧めています。
乾燥温度を少し低くし、時間をかけてゆっくりと水分を抜いていきます。
時間は少しかかりますが、(といっても2~3日)木本来のねばり強さ、質感は保たれます。

実際に、両者の違いを見比べると一目瞭然!
本当にキレイな桧は、ほおずりしたくなるようなスベスベの質感なのです。
私もお客さんも意見が一致し、絶対に『中低温乾燥の桧』だね♪と。
やはり、実際に現物を見ると違いがよくわかります。

そしてお昼は、蕎麦懐石~☆

2種類のお蕎麦を食べ比べ

蕎麦寿司

出し巻き卵

そばがき、その他モロモロ・・・美味しい♪♪
そして、お料理だけでなく、建物も超渋い!

シットリとした店構え。塀には杉皮が張ってあります。

暗いアプローチ。ワクワク。
そして部屋に入ると・・・

お茶室のような設え!スゴイ!!もうテンションMAXです。
静かな空間に包まれながら、美味しいお蕎麦を堪能し。。
本当に至福のひとときでした。

お施主さま、本当にありがとうございました。
有意義な1日となりました。

written by 傳寶慶子建築研究所 http://dmpdmp2007.com/