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銘木屋に行く

9月の終わりごろに、京都の銘木師、千本銘木商会の中川典子さんという方に
お会いする機会があり、その強烈すぎるパワフルな語り口調、止まることのない
知識の豊富さに、ただただ圧倒され、その日のうちに大ファンとなってしまうほど
衝撃的な方と出会いました。

以前から、一度お店に遊びに来てくださいと言われており、一昨日、ようやく実現♪
建築家仲間総勢6人でお邪魔したのですが、
3時間ノンストップで、木について熱く熱く語っていただき、大盛り上がりでした。

これは、倉庫に置いてある北山杉の絞り丸太。
左側は、人工的に作った絞り丸太、右側は天然の絞り丸太だそうです。
実際見ると違いがハッキリとわかり、やはり天然物は、ナチュラルな
筋模様がとてもキレイでした。

人工的に作るとは、どういうことかといいますと
山で木が生えている状態のときに、幹全面に割りばしのようなものを
ビッシリと巻き付け、(1本の木に300本近く巻きつけるそうです)
そのまま成長させると、その割りばしの跡が筋状につき、それが
『絞り丸太』となります。
皆さん、一度は見たことがあるかと思いますが、こんな丸太です↓

昔は、筋肉隆々のゴツゴツとした感じの絞りが人気だったそうですが、最近では
『うすでシボ』といい、アッサリとした模様のものが好まれているそうです。
右端2本は、人工絞り。模様がクッキリハッキリと出ているのが、特徴です。
(天然ものは、もう少し筋模様が薄い)

また、特殊な丸太シリーズとして、赤松やサビ丸太などを紹介していただきました。

『サビ丸太』とは、簡単に言いますと、木の表面にわざとカビを生えさせ、
黒っぽくなった丸太のことを言います。(奥の方に写っているのがサビ丸太)
一般的には、サビ丸太には桧が使われているのですが、
正式なお茶室を作る際は、桧のサビ丸太ではなく、アテ(別名:能登ヒバ)と
いう木のサビ丸太を使う、という決まり事があるそうです。

また、同じサビでも、黒色に近いものは、表千家用、
少し薄めの綺麗サビは、裏千家用と、使い分けもされているそうです。

いや~~なんとも奥の深い話です。。

ちなみに、個人的には、このサビ丸太が大好きでして、
以前店舗を設計した際、垂木として使いました。

もちろん本格的なお茶室ではありませんので、桧のサビ丸太を使用しましたが、
この渋カッコイ感じが、たまらなくいいですよね~

そして、こちらは超特殊な床柱↓(1番手前にある段々模様になっている柱)

一瞬、竹かな?と思ったのですが、なんと!シュロの木の床柱なのです~

シュロって、基本的には暖かい地域にしか生息しないのですが
昔の京都に住むお偉い方々は、わざわざこのシュロを九州から取り寄せ、
庭の片隅の目立たないところに、少しだけ植えて、どうだ!すごい木を
持っているだろう~とチラリズム的に、自慢をしていたそうです。
大っぴろげては植えず、あくまでも端の方にチョロっとだけです。

なんとも京都らしい、イヤミ(笑)な演出ですよね~
話しを聞いて大笑いしてしまいました^^

そして最後に、中川典子さんの名言が発せられました。

日本には、『木取り』と言って、1本の丸太をいかに無駄なく全部使いきるか
ということを考えながら、木を分割していき、余すところなく使いきるのが、
一般的なのですが、この考え方は、日本だけのものらしく、
海外では、樹齢30年だろうと100年の丸太だろうと、まったく関係なく、
同じ調子でブツブツと分割していくだけなのだそうです。

そのため、海外では、木から『建材』を取るというイメージ。
しかし日本は違います。

日本は、木から『素材』を取り出します

料理と同じ考え方なのですが、日本人は、特に素材(材料)選びが得意らしく
これは海外でも誇れる技術なのだそうです。

たしかに、日本の古くからある家には、様々な種類の木が混在しながらも
調和を保てていますもんね。

日本人であるが故のこの繊細な感覚を、見失うことなく
これからも素材選びに磨きをかけていきたいと思います。