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サニタリー空間の照明
「野間の家(2015年竣工)」のトイレが、ハウジング雑誌に掲載されました。
『照明で仕上げる 水まわり美空間』というタイトルでの掲載です。
先日のブログにも書かせていただいたのですが、最近ダウンライト以外の照明方法を研究して
いまして、トイレといえども手抜きはせず、こだわりを持ってデザインしています。
というよりも、トイレだからこそこだわった、というべきかもしれません。
「トイレ」という小さな空間は、小さな部屋だからこそ壁や天井・床がすぐ間近に見えてきて、
大きな部屋では気づかなかったような、色や質感・素材感までもが、手に取るように感じとら
れます。そのため、当事務所では『小さな空間には上質な素材を』という考えのもと、デザイ
ンをすすめています。(メインの部屋も、もちろん上質な素材にします)
通常、照明は「上から照らす光」が一般的なのですが、今回初めての試みで『横から照らす光』
というものを考えました。なんだかとても神秘的に見えますね。
編集者からは「トイレに入ると奥の壁から光だけが見える、そんな非日常的な仕掛けが面白い」
とのコメントをいただきました。
また、奥の壁にはザラザラとした質感のタイルを張っているのですが、タイルの大きさに合わせて
天井高さを決めており、バッチリ7枚分の高さで揃っています。
さらに、窓の高さもタイルに合わせて揃っています。
出来上がると、当たり前のように見えるのですが、この高さを揃えるため、工事のかなり早い段階
から寸法を計算し、現場に細かいミリ単位の指示を出して・・と緻密な作業を繰り返しているのです。
タイルを張るとなると、いつもタイルの割り付けに悪戦苦闘しており、毎回かなりの時間を費やす
こととなるのですが、出来上がって色んなラインが綺麗に揃っているのを見ると、満足感でいっぱ
いになります。その場限りの考えでは、ここまで綺麗に揃えることはできませんので、やはりデザ
インは1日にしてならず・・・ですね。