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木造の継手
先日『木造トラスの勉強会』に行ってきました。
シリーズの1回目ということで、まずは基礎の基礎、木の継手についての興味深い話でした。
現在の大多数の木造住宅は、プレカットで木を加工し、金物を使って木と木をつないでいきます。
昔のように木を組んで建物をつくるという感覚とは、程遠いものとなってしまいました。
実際、この複雑な加工の継手を作るには手間がかかるのですが、そこには日本人の知恵がたくさん
詰まっており、知れば知るほど奥深いものでした。
木材の性質を知りつくした加工、力の伝達に対応した形状・寸法、木組み後の経年変化によって生じ
る木材の収縮・そり・曲がり・ねじれなどに対する考慮などもきちんとされています。また、形態そのもの
は複雑ですが、組むと非常に単純でシンプルに納まるようになっていて、技術の高さを改めて考えさせ
られます。また、継手の形状によっては、金物の5倍以上の耐力が出るものもあります。
現在のプレカット技術や、金物を否定するわけではありませんが、こういった伝統的工法をどのようにし
て現代に生かしていくか、ということが今後の大きな課題だと思っています。