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屋根施工中

『野間の家』 今週に入ってから、屋根葺き工事が始まりました~。

今回、『瓦棒葺き』という少し変わった!?葺き方に初挑戦!

といっても、特に目新しい葺き方ではなく、昔はよく使っていたみたいですが、

ここ最近はまったく流行っていないらしく・・・(笑)

この屋根は20年近くしたことがないなぁ~と、言われてしまいました。。

えーーーっっ。。

個人的には、この骨太な感じがとてもカッコイイなぁ~と思っているのですが、

最近では、下の写真のような少し細い棒の『立平葺き』というのが一般的です。

写真で見ると、棒が太いか、細いか、だけの違いのように見えますが、じつは

施工方法がまったく違うのです。

細い棒の『立平葺き』は、パタパタパタと屋根材をつないでいくだけなので、とっても簡単。

すぐに終わります。ところが、この一昔前に流行った『瓦棒葺き』は、棒の1本1本を

「ガチャ」と言われる機械で、挟み込んでつないでいきます。

最近では、あまりお目にかかれない光景なので、見ている側は感動ですが、

実際は、腕が筋肉痛になりそうなぐらいの労力と手間がかかり、とってもとっても大変なのです。

この挟み込み作業、1回で終わればいいものの、なんと!同じ作業を2回も繰り返します。

しかもこの屋根、急勾配ですべり落ちそうなので、足で踏ん張っていますが、かなり危険。

そしてさらに今回は、追い打ちをかけるように、屋根形状が複雑!!

4種類の異なる角度の屋根が、1ヶ所で合わさり、大変なことに。。

ん・・・見ているだけで、ややこしい。

「板金屋さん、こんな設計してごめんなさい」と謝ると、それを横で聞いていた大工さんは、

「この屋根の下地を作るのも大変やったんやぞ!!!」と、怒りモード。

ご、ご、ごめんなさい。。

すべての職人さんに手間ヒマかけさせてしまっています>_<

しかし、パネル化され簡単に施工できるものは、出来上がっても特に感動はしないのですが

『職人技』が必要な、簡単には仕上がらない昔ながらの工法は、出来上がると深みがあって、

その苦労の跡というか、ちょっと言葉では上手く説明できないのですが、

こちらに訴えてくるような、「何か」が感じとれるのです。

毎回、時代遅れ?と言われる材料や工法をよく使いますが、個人的には、こちらの方が好きなのです。

上の写真は、屋根の一番高い部分に、空気の流れる「換気棟」を取り付けているところ。

ここだけは、最新のものを取り入れています。

いつも、職人さんには多大な手間と苦労をかけさせていますが、その苦労はきちんと報われ、

毎回素晴らしい建物が完成しています。

私の設計は、この素晴らしい職人さんたちの苦労の結晶で出来上がっていると言えます。

私が現場に行くと、「ややこしい姉ちゃんが来た」と毎回言われ、チェックも細かいので嫌がられますが(笑)

今後ともお付き合いのほど、よろしくお願いしま~す^^