傳寶慶子建築研究所    KEIKO DEMPO ARCHITECT INSTITUTE   
  手造り感を大切に、素材のもつ美しさを感じていただけるような設計提案をしています。        HOME



2007.6.25  黄泉の塔

大阪府南河内郡にある『近つ飛鳥博物館』に行ってきました。

設計は、安藤忠雄さん。1994年竣工なので、今から13年も前に建てられた建物です。

広場には、安藤さんお得意の大階段が。

シンボリックな塔とともに、悠然と佇んでおり、青空がとてもよく似合っていました。

この塔の名前が「黄泉の塔」。名前からして、アヤシイ…。

しかもこの塔、じつは中には何もなく、カラッポの空間なんです。吹抜けになっていて歩くことすらできません。

展示空間があるかと思っていただけに、衝撃的な事実でした。

この建築、バブリーな時代だからこそできたものの、今の時代では、到底ムリだと…。

どのように施主さんを説得して、この用途のない塔を作ったのかが、かなり謎です。

さすが世界の安藤忠雄!

周りには池や森が拡がっており、とても静かな場所でした。





2007.6.3  何必館

京都の四条通りに面して建っている『何必館(かひつかん)・京都現代美術館』に行ってきました。

外観はグレー一色で、美術館というよりは、銀行かオフィスビルといった感じ。


ところが中に入り、EVで最上階に上がると…

優雅なひっそりとした世界が広がっていました。

中庭に植えてあるのは、株立ち状の紅葉。

上部から入ってくる光が刻一刻と移り変わり、葉が風にソヨソヨと揺れ動くさまを、ボンヤリと眺めているだけで

至福のひと時でした。

都会の喧騒を忘れさせるような、静謐な空間がここにはありました。

右上の写真にある『清風』という文字は、北大路魯山人が刻したもの。

奥には和室が配されており、とても粋な空間構成でした。

地下にある北大路魯山人作品室。

その他にも、 日本画家の村上華岳作品室、 洋画家の山口薫作品室 がありました。

村上華岳作品室に、ちょっと心惹かれる文章が。


なんというあわただしき人の姿だろうか。

私は「静さ」を最も愛する人間である。

静さのなかに本当の「動」を感じるのだ。

無暗に人生の外側を走り廻っても何にも得る所はない。

其処には「力」もなんにも見出されない。

何等根深いものがないのだ。


この文章と、この美術館のあり方がとても合っていたので、ミョーに納得してしまいました。





2007.5.13  民家

神戸市北区にある『箱木家住宅』に行ってきました。

現存する日本最古の民家です。

大工道具があまり発達していない時代に建てられた民家なので、仕上げは粗く、各部の納まりも簡素でした。

しかしそれが逆に新鮮で、木や土の味わいが存分に出ており、とても美しかったです。

軒先はとても低く葺き下ろされ、自分の身長とほぼ同じぐらいでした。

これだけ軒が低いと、光が部屋の奥まであまり届かず、内部は真っ暗…。

しかし、暗い内部から見る外の明るさがとてもキレイで

光ってこんなに美しいんだ!と改めて実感しました。


暗いところがあるから、明るい場所がいきてくる


「どこへ行っても明るい」という現代の生活では、光の美しさを実感することは難しいかもしれません。

美しい光を求めて、また見学の旅へ行ってきます。


棟には、ちょんまげのような飾りがついていて、かわいかったです。

内部は、暗すぎて撮影失敗…。





2007.4.9  四国へ

先日、友人の結婚式があり徳島へ。

披露宴では、総勢50人ほどの団体が、笛や太鼓を鳴らしながら「阿波踊り」を披露。

新郎新婦、親戚一同ともにみんな踊っていた。

さすが徳島!

地域の文化をこのような形で見ることができ、とても感激だった。


次の日、香川県の『丸亀市猪熊弦一郎現代美術館』と『丸亀城』を見学してきた。

この美術館、なんとJR丸亀駅の駅前に建っている!駅前美術館〜。

設計は、谷口吉生さん。

美術館というような堅苦しいイメージは全くなく、広場がそのまま美術館になったという印象。

白い壁の左横には大階段があり、上ってみるとトップライトからの光が降り注ぐスペースへ(下の写真)

この階段は、3階まで続いており、お金を払わなくても自由に行き来できる。


次は内部の写真。

ホールが吹き抜けになっており、とても明るく開放的な空間だった。


つづいて…今度は『丸亀城』

ここは石垣が有名で、どこを見ても石垣だらけ。迫力満点。

苔むした石がとても魅力的でした。






2007.4.1  濃い美術館

事務所から電車で30分程行った所にある、『豊雲記念館』という美術館に行ってきました。

設計は清家清さん。

ここは、春と秋にそれぞれ2週間程度オープンしているだけというちょっと変わった美術館。

建物の外観だけで、かなり圧倒される。すごい迫力。

中に入る前から、この美術館はただものではないというオーラが溢れかえっていた。


中に入ってまたまたビックリ!

迫力のある巨大な石と和紙と木で展示空間が構成されており、異空間…。

丸い穴があいている和紙のスクリーンを覗くと、そこには異国のお面が飾られていた。


いけばなの小原流 三世家元である小原豊雲が心を傾けた「原始美術」的なもののコレクション。

ペルー・メキシコ・ペルシャ・インドなどの様々な民族美術資料を身辺に置くことで、それらを自らの

いけばな作品創造への糧としてきたそうです。

アジア民族と日本のいけばな…。

「いけばな」=繊細 というイメージがあっただけに、両者の結びつきに驚いてしまった。

しかし、たしかに小原豊雲のいけばなは、力強くかっこよかった。

アジアにはやはり縄文的なるパワーの源が存在しているのだろうか。

下の写真は、2階の展示空間。

全体的に暗く落ち着いた感じだが、ハイサイドライトからの光が効果的に演出されていた。

この美術館は、素材のもつ存在感が凄いパワーで空間に満ち溢れている。

ニセモノではない確かなるもの。

自分の目指すべき建築はこういうものだと改めて思った一日でした。






2007.3.28  お祝い

先日、事務所開設のお祝いにと、生け花を頂きました。

あまりのかっこよさに、思わず写真を。。

写真ではよくわからないですが、後ろに錆た鉄の棒が格子状に編んでありました。

渋い!!






2007.3.4  東山魁夷の世界

大好きな作品です。

見ているだけで、絵の中にひきこまれる。

幻想的でありながら、すごい存在感。

シンプルな構成にもかかわらず、どこまでも続くような奥行き感があり、

「1枚の絵」という次元をはるかに超えている。

この絵の向こう側には何があるのだろう…

そんな考えを呼び覚ましてくれるような作品。


東山氏の強い想いが、作品の奥底から滲みでてきています。



2007.1.11  建築ツアー

正月早々、建築を巡る旅に行ってました。

一日目は、登呂遺跡内にある『芹沢_介美術館』 白井晟一氏による作品です。

「建物が主張しすぎて、展示作品が目立たないじゃないか!」と美術館のオープン当日、

芹沢さんは怒って帰ったそうです。

たしかに…納得でした。

美術館自体がひとつの大きな芸術作品のようで、すごい存在感…。

ここだけ時間がゆっくりと流れているような、重厚感あふれる、とても濃い美術館でした。



二日目は、常滑にある『INAXライブミュージアム』 

昨年の10月に『土・どろんこ館』がオープンし、メインの土壁は、左官 久住有生氏によるもの。

版築の外壁は厚さ80cm程あり、迫力満点!
 
内部にはおもしろい壁がたくさんあり、日干しレンガを積みあげたり、磨き壁があったりと、楽しい建物でした。

右下の写真は『常滑大陸』と名付けられた土の壁。今まで見たことのないような斬新なデザインでした。


三日目は、鳥羽にある『海の博物館』 内藤廣氏による作品です。

外部は黒で統一され、あっさりとしていますが、内部は大断面集成材による複雑な仮構。

連続的に見える骨組みの頂部から光が降り注ぎ、とてもキレイでした。

内藤さんの作品は、いつも構造が美しい。構造美にホレボレです。

これは収蔵庫の写真。

博物館とはガラット雰囲気が変わり、なかなか渋い空間でした。

収蔵庫も博物館と同様、アーチによる連続的な構造ですが、

こっちはPCコンクリート。

荒々しい構造が、収蔵庫の雰囲気に合っており、

見ごたえ十分の空間でした。



2006.12.2
 MIHO MUSEUMへ


秋季特別展として『青山二郎の眼』という展覧会が行われていました。
李朝白磁の大壺や、井戸徳利、唐津盃などなど、うわぁ〜っと見入ってしまうものばかり展示していました。

白磁の壺は、個人的にとても好きな物のひとつで、白磁独特のまろっとした艶と、奥深い色合いに惚れ惚れ。

作品すべてに、『どっしりとした存在感』があり、見ているだけで、とても幸せな気分になりました。

いいものには、やはりオーラがありました。


さて、MIHO MUSEUMですが、建築家I.M.ペイ氏(パリ、ルーブル美術館のガラスのピラミッドを設計)

が作った建物で、建築容積の80%以上を地中に埋設し、建物の上にも自然を復元しています。

中は明るく、ライムストーンの床と壁が優しい表情で、とても落ち着いた空間でした。




2006.11.18
 出石へ


急に蕎麦が食べたくなり、出石へ蕎麦を食べに行ってきました。

その帰り、市内をウロウロしていると、昔使っていたという酒蔵を発見!

土壁の表情がとても優しく、カワイイ建物でした。

雨戸には、つぎはぎした鉄板を使用しており、錆びの茶色と土壁がよく合っていました。

もちろん、ちゃんと開閉ができるよう金具もしっかりとしたものがつき、窓廻りのデザインはスッキリと

簡素に納まっていました。


その後、豊岡にある玄武洞公園を見学。

大小さまざまな洞が5つあり、そのうち2つは天然記念物です。

無数の六角柱が寄り集まってできており、すごい迫力とともにとても神秘的な光景でビックリしました。
ホントに実際見ると、感動感動です。

久しぶりに刺激的な風景に出会い、大満足の旅でした。